ボーカロイドが無声音を扱えるようになるということは、より人間味のある喋り方を獲得するということです。
無声音とはどういったものなのか、その仕組みを勉強してきましょう。
(1) そもそも「声」って?
広義の「声」…口から発せられる音
狭義の「声」…声帯の振動。「無声音」は「声帯の振動の無い音」。
(2)声帯の話
声帯はのどにある、声を出すひだ状の器官。開いたり閉じたりする。
普通に息をする時は開いている。
閉じている時に空気を通すことで、ひだ状の部分が振動して音が鳴る。
また、ひだを緊張させる(ピンとさせる)ことにより高い音を、弛緩させることで低い音を出すことができる。
参考:sm15990979 (ちょっとグロいよ)
(3)有声音、無声音
有声音…声帯の振動が伴う音
例:各種母音、n,m,g,z,d,b,w,N(鼻濁音ン、ニャ行)などなど ※発音記号はX-sampa
無声音…声帯の振動が伴わない音
例:k,s,t,h,C(ヒ),p\(フ、ファ行),p,S(シャ行),tS(チ、チャ行),ts(ツ)などなど
いわゆる「ひそひそ声」も声帯が振動しないので無声音と言える(たぶん)。
無声音は声帯の振動を伴わないので、音程を表現できない(たぶん)。
(4)無声化
日本語は母音のみ、あるいは子音+母音で一音を作るような仕組みになっている。
例:s + a = さ
通常子音のみ発音はしないが、母音が抜け落ちて子音のみとなるケースがある。これを無声化という。
無声化した音を指して「無声音」と言うことも多い。
例:まくしたじゅうごまいめつけだし(幕下15枚目付出)
赤字部分が無声音。
※がんばれば「まくした」の「く」、「つけだし」の「し」も無声音で発音できるかも。
※※無声化には個人差や方言差などがあります。
(6)無声化の条件
@子音が無声の子音であることは必須条件。
Aイ段、ウ段。
B後ろに続く子音が無声。(※これは例外もありそう)
C文末でもちょくちょく発生。
(8)弁別性
音の違いが意味の違いにつながる時、「弁別性がある」と言う。
日本語では無声化した音としていない音の間に意味の違いはない。つまり弁別性がない。
アクセントは弁別性があり、意味の違いが生まれる。
つまり、トークロイドではきちんとアクセントをコントロールできることの方が重要。
まずはとにかくアクセント!