アクセントを理解することはすぺくたくら流トークロイドにおいてはとても重要。
小難しい話も多いけど、じっくり理解していってネ。
(1)そもそもアクセントって何?
語(単語)の中での音の強さや高さの変化のこと。
語によって決まった変化を持っている。
アクセントによって語の意味を区別できる。→意味弁別性(例を参照)
似た概念として「イントネーション」があるが、イントネーションは文全体の意味を調整する音の変化。よくアクセントと混同されるが。
アクセントは語によって決まっているので、アクセント辞書というものが作れる。
→おすすめ書籍
「NHK 日本語アクセント辞典」(NHK放送文化研究所)
「新明解日本語アクセント辞典」(金田一春彦、秋永一枝)
(2)強弱アクセント、高低アクセント
強弱アクセント…音の強弱に特徴があるアクセント体系。強勢(ストレス,stress)とも。
例:英語 名詞 export (輸出)
動詞 export (輸出する)
※赤字部分にアクセント
高低アクセント…音程(ピッチ)の高い低いに特徴があるアクセント体系。
例:日本語(東京方言)
音程が下がる部分に特徴アリ。
上がる部分は句の始まりを示す特徴。 ※句の話は次週以降
(3)アクセント型
語の特徴のある部分だけがアクセントなのではなく、非特徴的な部分も含めて、語全体でアクセント型なるものを構成しているという考え方。
(4)高低か?上昇下降か?
日本語の高低アクセントは、単純に高いか低いかの2つの値を取るのではなく、音程の上昇下降に特徴がある。
例:「朝目が覚めて真っ先に思い浮かぶ君のこと」
(5)アクセント核
アクセント核とはアクセントの特徴となる音の変化がある箇所のこと。
アクセント核は一つの言葉に一か所しかない。
日本語東京方言では音程の下降がアクセント核。
(6)「日本語東京方言」って何?
「標準語との違いは?」
→ぶっちゃけ、いわゆる標準語のこと。
「東京なのに方言?」
→言葉を研究する人にとって、東京近辺で話されている言葉を、他の地域で話されている言葉と区別したり、特別扱いしたりするのは、客観的な研究を妨げる行為。
→なので「”標準”語」という言葉も、研究者はあまり使わない。
すぺくたくらの生放送では「日本語東京方言」「東京方言」という言葉を頻繁に使っていきます。
(7)日本語東京方言のアクセントの特徴
1.高低アクセント
2.降下にアクセント(アクセント核)がある
3.上昇は句の先頭にだけ存在する ※句についてはまた来週
4.n拍の語はn+1種類の型を取りうる ※n+1については来週説明
5.促音、撥音、二重母音(長母音)の後ろ側の拍にはアクセント核を持たない。
東京方言以外のアクセントは東京方言とは違うアクセント規則を持っている。